ハンプリ

3月19日に京都のUrBANGUILDで行うFOuR DANCERSで、私は4人のミュージシャンと共に「ハンプリ」という楽曲を上演する。 この状況なので、来れる人も来れない人もいるため、作曲家朴実(パク・シル)氏への聞き取りと私の楽曲理解を元にしたライナーノーツを、…

しっぽ結びーまたの名を、島と尻尾  꼬리맺기ー부제 섬과 꼬리

しっぽ結びーまたの名を、島と尻尾 꼬리맺기ー부제 섬과 꼬리 大昔 わたしたちは しっぽをもっていた 옛날 우리는 꼬리가 있었다しっぽで泳ぎ 歩き 把み 書いていた 꼬리로 헤엄치고 걷고 잡고 쓰고 있었다心が 動きだして 마음이 움직이기 시작되어体の彩が…

みえないしっぽ

きっかけは韓国人ベーシストのLee Dongheeから送られてきたメッセージだった。9/28に京都の耳塚でセレモニーがあるんだけど、一緒に何かやらないかと。ちょうどmimacul『さよなら明るい尾骶骨』の稽古前だった。稽古場は三条、耳塚は七条。行けるではないか!…

無題

海か山なら 山がいい 湖か沼なら 沼がいい 抱擁という狭く窮屈なトンネルのなか やがて息ができずに藻掻きはじめる 数十年 そのトンネルの円環からようようすり抜け 気づくとわたしの爪の隙間には土が食い込んでいた 本か歌なら 歌がいい 目か口ならば 鼻が…

gift

こうして落ち着いて自分のダンス観について考えると、立ち戻るところはやはり、レジーヌ・ショピノの「PACIFIKMELTINGPOT」になる。この作品の中で、私は歌っている身体に動きをのせて踊るというシーンをわたされた。このシーンは、作品が終わってからも、そ…

蛙の余波

この冬は、影・川・街・蛙と異なる作品やプロジェクトへの出演や制作がつづいた。ようやくひと段落して、春近しと木々が芽吹きはじめた三月半ば、久しぶりのソロダンスへ向けた準備にとりかかった。FOuR DANCERSという企画で、私はここで踊るとき、作品やテ…

フランシスフランシス

なんと一日のうちに、ベーコンとアリスの両フランシス展へ行くことができました。 ベーコンの作品の、実物を見れて本当によかった。 よく言及される顔面の歪みやズレ、肉体の変形の描写というのは、実物は結構視えにくい(分かりにくい)ということに、帰り…

老人ホームへの出前パフォーマンス&WS

Dance&Peopleが大山崎で行っているワークショップ「からだをつかってあそぼ」。2011年頃から私はここに通いはじめている。今日はこの「からだをつかって」メンバーで、洛和ヴィラ大山崎という老人ホームに出前パフォーマンス+ワークショップをしにいきまし…

おじいちゃんは電車に乗るのが怖いと言った

おじいちゃんは電車に乗るのが怖いと言った。それを受けて、おばあちゃんは、このひとは京都駅までの切符も買えへんと言う。 祖父は早朝散歩を日課としている。そのルートは、近くに住むわたしの両親の家が折り返し地点で、毎朝ピンポーンとインターホンを押…

ガルシア=マルケス『100年の孤独』を再読する。

1月4日 2日からぼちぼち読み始めて、今半分ちょっと。 ウルスラ母さんを起点にしたとして、只今、四世代が混在している状況。おまけに「ホセ・アルカディオ」系と「ブエンディーア」系の名前が繰り返し子息に命名されるので、読書を中断し再開する段になると…

年末年始のおこない

あちらとこちらの跨ぎ越し。 年末は、画家の児玉靖枝さんの個展を見に行くために花隈へ向かいます。目線では、壁に掛かった絵を追い、身体は階段と踊り場をゆっくりと移動していく。《深韻》というテーマに、視線と気配を傾けながら、じっくり時間を掛けて階…

わーのだいすぎだもの

とても良い歌だと思ったのでノートします。 www.youtube.com バラに たもすがる(ぶらさがる≒滴る) 雨コの雫 ちゃっぺ(子猫)の ひげコと きがきが(きらきら)の 星コ ぬぐだまる(温かい) てげし(手袋)と 茶色の袋っコ みんな わーの(私の) 大好ぎ…

音姫

トイレの個室によく音姫という機能が付いています。ボタンをおすと一定時間、流水音が流れる装置です。 この音についてのある発見。 それは音姫から、ミニマルミュージックのようなものがきこえてくるというもの。いちどそのフレーズを聞き取ってしまったら…

は じ き

ダンサーの栩秋太洋さんの『山(仮)』制作過程と、リサーチワークの資料を見に行きました。@京都芸術センタ— 久しぶりに、算数の方程式を思い出しました。 は じ き の 法則 は 速さ=距離÷時間 じ 時間=距離÷速さ き 距離=速さ×時間 リサーチの資料展示…

想像

今日は大阪市の放射能汚染がれき焼却日(試行)ということで、FBやブログなどでは、とてもきめ細かな情報が発信された。 たとえば、外出時は専用のマスクを必ずすること、なければ普通のマスクを二重にして、内側に濡らしたティッシュを入れること。帽子や眼…

織物

1. 独り寝の床で、(わたし)はしずかに目を閉じる。綴じ合わされた目蓋のあたりに、(わたし)をさぐる…。 ちりぢりになった(わたし)をかきあつめようと、(わたし)は唇をきゅっと結ぶ。結び合わされた唇のあたりに、たしかに(わたし)はいる…。 脇をし…

右顎から下に伸びて右肩甲骨へ、そして胃の裏まで

背中が凝るというのは、背中が鈍くなっているということなのか、過敏になっているということなのか。こういうとき、慰めの耽溺のダンス。 耽溺といえば、 先日お亡くなりになられた、キュレーターの東谷隆司さんのクラシック爆音DJを思い出す。(確かワーグ…

ケージとショパン

わたしはジョン・ケージに特別詳しいわではありませんが、思い返せばこれまで、ジョン・ケージへ敬意をいだく人たちと良き出会いをさせていただいてきた。 土曜日に、ご近所のサウンドアーティスト吹田哲二郎さんのお家にうかがい、現漢籍でジョン・ケージに…

小4のときのこと

先日、なぜか小4のときの記憶が次々とよみがえってきた。 本当にどうでもよいことばがりだが、せっかくなので記しておこう。 思えば先生が度々出張していて、自習が多いクラスだった。毎回、男子にからかわれて泣かされていた。漢字ドリルにひたすら意識を…

point/point

所用のため、四条大宮から九条大宮まで、自転車をひた走っていたら、突然ショルダーバックのひもが切れて、かばんが飛び落ちた!お気に入りだったことと、なかにMacBookが入っていたので二重にショックだったが、幸いMacは無事で、鞄はひもが切れたのではな…

祖父の土地 因縁のプール

数年前のある日、わたしは祖父と散歩をしていました。 歩きつ喋りつしているとき、祖父は何気なく道端に生えていたススキのような植物を手に取って、口にくわえました。まるで時代劇で股旅がそうするように。本当に堂に入った手つきで。 その何気ない仕草に…

三人目のピカソ

市バス 59系統の自動ドアが開いた。 すでに車内の雰囲気は、明らかな緊張感があった。 ドアの真ん前に座っている人物が、どうやらことの中心のようだった。 わたしは、その人物のすぐ前の座席に座る。 その人物は、老人だった。タンクトップを着ていて、と…

興奮気味に

三条蟹道楽斜向いの靴屋さんEVANSさん。 前を通ると必ずショウウィンドウをチェックします。 今日はグレイのレインシューズが目に留まりました。 さっそく店員のお兄さんに試着をお願いしました。 このお店はいつも感じのいい接客をされます。どんな靴のお悩…

ウニな気分

S筋を歩いて居たら、ふと今の自分はウニっぽいのではないかと思った。内のぐちゃっとした感じと、外のトゲトゲ、センサーの反応でトゲトゲが鋭くなる。そういう妄想を膨らませて居たら、地下鉄の入り口(喉)と交差点の信号待ち(凝り)地点に来た。多方面か…

歩きながら

歩きながら、考えたり、何かに気付いたりすることが多い。 歩くということは、毎回ひとつとして同じ状況ではない。道の形状、周囲の状況、時間帯などなど、毎回異なる。だから、歩くという動作も、都度変化しているのではないか。 例えば、急な下り坂ならば…

カエルオールナイトピクニックに行ってきました

カエルオールナイトピクニックに行ってきました。 一年で最もカエルたちが切実な鳴き声を響かせる時期に、彼らの鳴き声に耳を傾けるという集まりで、ジャワ舞踊家の佐久間新さんがされているものです。佐久間さんが住んでおられる能勢の山間にある棚田付近、…

早朝散歩

めずらしく夜明け前に起床したので、外を散歩してみた。 まだ辺りは薄ら蒼く、小雨が少し、そして風の音がする。 ここ数日参加している、アビゲイル・イエガーさんのWSでおこなったことを振返る。 身体の外から、内から気を感じる。 そして、身体の方向性を…

夜間歩行者

例のE坂から自宅まで、音を消して歩いてみた。 家々の音、地下に流れる下水道の音が、よく聴こえてくる。 一歩一歩慎重に歩かないと、衣擦れや靴が地面に触れる音が出てしまう。 だんだん、自分が透明人間になったような気がして、怖くなってくる。 信号を…

E坂にて

『マタドウロ(屠場)』をみて、同じ感覚を味わいたくなり近所を小一時間走ってみた。 途中、どうしょうもなく何往復もしたくなる坂道に出遭ってしまった。 駆け上がるときの、反重力と抵抗感が心地よく、6往復くらいした。すると、ぞろぞろと少年たちがや…

蝉女

台風の街を歩く。 ざっぱりとした風。 どこか恣意的な雨のリズム。 そわそわした家並み。 ちらほらと蝉が鳴いている。 お盆を過ぎたこの時期に居るのは、マイペースな蝉。台風の気配に触発されて末期とはちがう鳴き声を発している。それは、どこかエキセント…