歩きながら
歩きながら、考えたり、何かに気付いたりすることが多い。
歩くということは、毎回ひとつとして同じ状況ではない。道の形状、周囲の状況、時間帯などなど、毎回異なる。だから、歩くという動作も、都度変化しているのではないか。
例えば、急な下り坂ならば、前進する歩みをセーブせずに、そのままわらわらすってんと前へ向かえばいいのではないか。
逆に、急な上り坂ならば、上半身をピンと張ろうとせず、坂の地面に近づけていったらいいのではないか。
どちらも、反重力ではなく、惰性だけど。
あと、向きでも変わる。
横向きに、所謂カニさん歩きをしてみる。と、風景が全然違う。自分の視野が、まるでレールを敷いて撮影した映像のように思えてくる。
以上は、家の近所を散歩していて思うこと。
他に、大阪のオフィス街を歩いたら、別のことを感じる。
必ずひとは目的地へ向かって、歩いている。それは大きくて強い風のよう。もしかしたら、歩いているのではなく、歩かされているのかもしれない、と思うことさえある。そう感じてしまったときは、少しだけ立ち止まるようにしている。ただ何気なく数秒間でも。
あとは、歩きながら、考え事をしていそうな作家。