gift

こうして落ち着いて自分のダンス観について考えると、立ち戻るところはやはり、レジーヌ・ショピノの「PACIFIKMELTINGPOT」になる。この作品の中で、私は歌っている身体に動きをのせて踊るというシーンをわたされた。このシーンは、作品が終わってからも、その後の私の身体に何かをもたらせてくれるという強い根っこになったように感じた。帰国して「たいないながれうた」というソロ作品を作った。それ以降も、踊る初動をひらくものとして、自分にとって発声はとても大事なものになっている。PMPではこのように演者それぞれへ向けた個別的なシーンがあり、かつ、全体的ないわゆる群舞のシーンでは、普遍的でベーシックでシンプルな要素ーそれは、時間、空間、音、光、人、周囲のすべてへと繋がるものーで成り立っている。なので、どんなことへも応用できるしなやかさがある。レジーヌ・ショピノからのgift、贈り物だと思っている。私は、私たちは、受け取り、受け入れたものをどのように手渡していくことができるだろうか。

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"PACIFIKMELTINGPOT”,MC93(Paris, Bobigny) ©João Garcia